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『「天才マイナス努力」には、「凡才プラス努力」のほうが必ず勝てる』

東大教授にして大富豪、そしてベストセラー作家であり、篤志家でもあった本多静六博士の言葉です。
博士の業績だけを後に知ると天才としか思えないものですが、本書を読むことによって「凡才プラス努力」によって天才の領域になることも不可能ではないと勇気をもらえることでしょう。
例えば、幼くして父を亡くし、貧しく育ち、東大教授でありながら、新宿区の最高多額納税者となった蔭には「本多式四分の一貯金法」がある。これなどはその気になれば多くの人に応用可能でしょう。
それは「通常収入を天引きして四分の一を貯金し、臨時収入は全部貯金する」というシンプルな方法です。1/4という多額の貯金は無理だとしても、1/8とか、1/10でも、挑戦するかしないかで10年後には埋めようがない差が生まれることでしょう。
また博士は学生時代、留年して申しわけなさに命を絶とうとしたこともあるなど、生まれながらの天才とは言えないようです。ところが凡人でもできる努力の実例を執筆でも示しています。25歳の時に「一日一頁分(約四百文字)以上の著述原稿として印刷価値を持つ文章を毎日必ず書き続ける」という決意を固め、第一期として満五十歳までと断行することを決めました。止むを得ず実践できない場合は、翌日は二日=二頁分を書くこととしたのです。腸チフスで38日間入院するというピンチがありましたが、退院後、めげずに逆に遅れた分を取り返そうと退院翌日から約3倍の1,200文字の文章を書き出した。すると遅れを取り戻した後も続け、ついには毎日=3頁分書くことを習慣にしてしまったのです。その結果、八十六歳まで、実に376冊の書籍を発表するまでになりました。
 平凡なことでも目的を持って続けていけば非凡な結果を生むことができる、その実例を自ら示してくれたのが博士の人生と言えるでしょう。
一日、十日、一ヶ月でできることは大したことではないかも知れませんが、一年、三年、十年・・・と積み重ねることでできることは計り知れない。そんな希望を与えてくれる生き様を本多静六博士は示してくれている。