【偉人に学ぶ夢実現】ブライアン・トレーシー（１）

●もし一つだけ成功の秘訣を伝授するとしたら・・・
全米で５本の指に入る経営コンサルタント、フォーチュン500社に入る超一流企業の200社以上に関わり、世界中で講演活動を行い、販売・経営の師と仰がれているブライアン・トレーシー（1944〜）。
現代を代表するコンサルタントが、もし一つだけ成功の秘訣を伝授するならば、それは
『目標を書き出しなさい。それを達成するための計画を立て、毎日それを実行しなさい。・・・・このアドバイスは正しく実行さえすれば、ほかのどんな知識よりもあなたの力になってくれる』と言い切ります。
シンプルですが、ここにはブライアン・トレーシーがどん底から成功の階段を駆け上がったエッセンスが込められています。
それではトレーシーについて少しご紹介しましょう。彼はMBAホルダーなどがひしめく超一流会社の経営コンサルタントとしては異色な存在です。貧しい家庭に生まれ、１６歳で高校を中退し、小さなホテルの皿洗いの仕事からスタートしました。その後も洗車係、アパートの管理人兼清掃係、、建設作業員、農場・牧場での季節労働（収穫期が終わると無職になる）、貨物船の船員など２２種類の仕事を転々とし、時に車の中で眠り、粗末な下宿屋を渡り歩いた。無一文で、給料日まで外出することもできず、下宿の狭い部屋に座って、将来のことを考えあぐねたり、足を棒にして一日中歩いてセールスをしても、やっと一晩の宿代を稼げる程度といった日々が続きました。
そんな頃、トレーシーに転機が訪れます。あの日、一枚の紙を取り出し、その当時としては途方もない目標を書いたのです。それは『訪問セールスで１ヶ月に１０００ドル稼ぐ』というものでした。しかしそのことも日常的には忘れていたにもかかわらず、その頃セールスに開眼し、その月は実に３倍の売上を上げられたのです。その矢先、勤めていた会社が売却され、新しいオーナーがトレーシーに目をつけ、毎月１０００ドルの報酬で営業部門の指揮を彼に任せるようになったのです。それは紙に目標を書いてちょうど３０日後のことでした。その事件をきっかけに彼の人生が１８０度変わっていったのです。
●４２項目中４１項目を満たした願望達成法
また、目標を明確にし、積極的に行動するためにトレーシーは私が提唱しているビジュアルを活用した宝地図的な方法も推奨しています。それは彼のこんな経験からきています。
『あなたがいつの日か自分のものにしたいと思っている家や車、衣服、アクセサリー、休暇旅行、家具などの写真が載っている雑誌を買うのもいい。その写真を切り抜き、自宅やオフィスのいたるところに貼り、たえずそれらのことを考え、想像しよう。
　妻と私は自分たちの夢の家のことを話題にしはじめたとき、すてきな家の記事が載っている雑誌を見つかる限り買って読んだ。週末になると、高級住宅街で売りに出されている家々を見て回った。私たちは好みと照らし合わせながら、あたりをくまなく歩いた。遠くまで散歩に出かけ、日ごろから私たちの理想の家がどんなものかを話し合い、その特徴をもれなくリストにした。
　そして、それは功を奏した。三年たたないうちに私たちはマンションから一戸建ての借家に引っ越した。その後、家を購入したが、結局、もう一軒あらゆる点で申し分のない家を買った。その家は、私たちの理想の家の特徴としてあげたリストの４２項目中、４１項目を満たしていた。』
いかがですか？　とってもシンプルですが、『目標を書き出し、達成計画を立て、毎日、実践する』ことの意義が再認識されたのではないでしょうか？

● 必ず効果を挙げる「３＋１方式」
人生の辛酸を舐め、試行錯誤したトレーシーがだからこそ掲げるスローガンがあります。それは『人々がより早く目標を達成する手助けをする』というものです。その願いは世界46ヶ国で、100万人以上の聴衆に影響を与えています。読者の数に至っては計り知れません。彼はどうやってこうしたキャリアを獲得していったのでしょうか？　そのポイントの一つが「３+１方式」です。必ず効果を挙げる技能習得、能力開発法として推奨しています。文字とおり、次の３つとプラスαの実践となっています。
４）習熟したい技能・能力に関連する本を毎日１５-３０分読む。
５）車を運転する時や移動中などに、関連するオーディオプラグラムを聞く。
６）関連するセミナーやワークショップに参加する。